2009年11月2日月曜日

援助するということ

配偶者暴力の被害者の方を援助する立場になる専門職向けの講座というものが全国各地で開かれています。
以前、司法試験合格直後に、東京都の講座を2日間だけ受けたことがあります。

印象深かったのが、
「どうしても、支配-被支配の関係を脱けでる際に、次の新たな支配関係に入ってしまうことがあります。援助者が新しい『支配者』になってはだめですよ。」
「加害夫と別れるという決断そのものも、どんなに生命・身体の危険があっても、援助者が強制してはいけません。本人が決めるしかないんです。そこで無理強いすれば、あなたがつぎの『支配者』です。」


仕事柄アドバイスはしないといけない。
でも、ご本人に決めて頂かないといけない。

難しいです。


ちなみに、私の母校は、校則がほとんどないプロテスタント系私立で、
「あなたたちには聖書がある、自分で自分を修めなさい」
と、教えられていました。
自由の裏には自己責任という、ある意味厳しい学校でした。

PTAから「そんな自由放任でいいのですか」と苦情があったときは
「支配せずに見守るというのがどれだけ難しいかわかりますか」と
切り返していたそうです。
どれだけはらはらしながら、指導にあたられていたか。

大して聖書も読まず、教会にも行かず、信者になることはありませんでしたが、
せめて、見守ることができるだけの精神力を身につけたいと思いながら仕事をしています。