2008年2月3日日曜日

新人弁護士の経済的負担

3人に1人の司法修習生が就職難だというニュースを読み,これからの新人弁護士はどれだけの金銭的負担を負うのかを考えてみました。

・法科大学院学費 
 国立 入学金約28万円  年間授業料約80万円  →2年で188万円  3年で268万円 
 私立 入学金約30万円? 年間授業料約150万円?→2年で330万円? 3年で480万円
 …貸与制の奨学金を利用したとすると,卒業時には300万円~400万円前後の債務が残る。

・法科大学院通学期間中の生活費
 月14万円として,2年で336万円 3年で504万円
・2010以降は修習期間の生活費は貸与制の修習資金 
 数年間は返還を据え置き,その後10年間の年賦等による均等返還(不確定ですが) 
 修習資金返還債務は200万円程度?

・弁護士登録時費用
 登録免許税     6万円 
 日弁連        3万円 
 各弁護士会     0~50万円

・弁護士会会費 
 日弁連         約2万円   
 各ブロックの連合会 約1万円 
 各弁護士会       3~7万円

・国民健康保険の保険料 
 月額1万円~4万円

・国民年金の掛金 
 月額14100円

・日本弁護士国民年金基金 
 上限は、月額68000円

他にも食費等生活費,税金,損害保険掛金(火災保険・自動車保険),生命保険掛金等がかかります。
修習終了までに500~600万円の債務を負担した上に,年収が下がって,生活できるとは思えません。この場合,「やむを得ない事情」があるということで,返済は猶予又は免除されるのでしょうか。

従来は,勤務先から突然解雇されても,独立して短期間で高額所得が得られたので,労災保険も雇用保険もなくともやってこれましたが,今後は社会福祉を充実させないと,優秀な人材が法曹界から流出すると思います。