2009年2月22日日曜日

12

下関シアターゼロへ「12人の怒れる男」を
見に行きました。

裁判員制度がもうじきはじまるので,ヘンリー・フォンダの演技を見ておこうと思っていたのです。
が。

映画が始まってみたら,ロシア語,ロシア人,しかも映像はカラー。
陪審員たちは最初に携帯電話が回収され,評議室はぼろぼろの小学校の体育館。

うっかりしていましたが,
これは,現代ロシアで再構成された12人の怒れる男でした。
しかし,勘違いのおかげで素晴らしい映画を見ることができました。

長台詞など舞台劇を意識していると思われる演出で,
ロシアに置き換えた民族差別問題や
マフィアやチェチェン紛争といった現代ロシアの社会問題も織り交ぜて
オリジナル版とは全く異なった作品に仕上がっていました。

合理的な疑いを超える証明があったか。

陪審員の議論の対象は,この証明ができているかどうかです。

しかし,かれらは,一筋縄ではいかない。
本件事件の内容になかなか入ってくれません。
陪審員の人生がとにかく語られます。語り尽くさないと心が議論に向かないのです。
ピアノはかき鳴らされ,カフカスの踊り,そして喧嘩。

なんとも激しい評議でした。

業務に関わる点で刺激を受けたのは,
1.やる気のない弁護をすると,陪審員もやる気のない議論しかしてくれない
 …恐怖を感じました。しっかり仕事しないと。

2.判決を出せば「解決」なのか。
 …この映画の一番の核心です。全ての法曹関係者の尽きせぬ悩みでもあります。

映画のパンフレットを後で読み直すと,
チェチェン紛争や監督の政治的背景にも触れられていました。

いい映画に出会えました。

2009年2月15日日曜日

面接交渉DVD

以前,面接交渉調停事件の折に
最高裁が作成したDVDを家裁で見せていただきました。

夫婦が離婚した後に,
別居親と子どもが会うときの親双方の注意事項をまとめたものです。

私の記憶ではこんなことが述べられていました。

・会う約束をするときは,子どもの都合に配慮して柔軟に決める
・同居親は子どもを笑顔で送り出し,笑顔で迎える
・別居親は子どもに同居親の様子を根掘り葉掘り聞かない
・同居親は子どもに面接交渉での別居親の話を根掘り葉掘り聞かない
・両親は子どもにお互いの悪口を言わない
・別居親は子どもに過度なプレゼントは渡さない(渡すときに同居親の了解を)

などなど。

元々信頼関係がこわれて別れた2人です。
これだけ大人に振る舞えるかというと,なかなか厳しいところではあります。

でも,子どもは,親の離婚という事態に直面して,各種のしわ寄せを受けています。
親にもがんばってほしいというのがDVDにこめられたメッセージなのでしょう。

全てのケースであてはまるわけではありませんが,
離婚後の面接交渉に限らず,
人間関係一般にも通じるものがある示唆深いDVDでした。

2009年2月14日土曜日

スキャンスナップ

弁護士会の連絡文書や議事録などが大量にたまっています。
ファイリングするのも大変。
がんばって整理しても書架に場所をとられます。

とにかく紙が多い…
捨てて良いのかがわからない。
というのも,弁護士会の仕事をしているときに,前例を確認した方がよい場面もあるからです。
ときどきなのですが。

そのときどきのために,ずっと大きな書類を抱えていくのもなんなので
PDFデータで保存することにしました。

それで我が家にやってきたのが
富士通のスキャンスナップ。

ものすごいスピードで
表も裏もカラーでスキャンしてくれます。
画質も悪くない。

楽2ライブラリパーソナルも,データの管理閲覧に便利でした。

A3サイズまで対応可能です。

2009年2月13日金曜日

共同勉強会

夜,地域包括支援センターの方々と弁護士との共同勉強会がありました。

行政でできること,弁護士ができること,
それぞれに可能性と限界があります。
お互い腕を磨き,情報交換をするために勉強会が始まりました。

成年後見制度の対象者であっても施設入所可能ではない場合に
在宅の本人さんの生活をどう支援するのかという議論などがありました。

介護予防など高齢者さんをとりまく各種機関の仕組みがまだまだ頭に入っておらず
基本的なことから教えてもらっています。

弁護士は弁護士で,あるシチュエーションでどこまで何ができるのかという問いに
法的根拠から一緒に考えていったりしました。
S先生と,「被後見人さんが亡くなられた後,後見人は一体何をどこまでできるのか」
というところで悩んでいます。
相続人さんが相続財産を受け取ってくれない場合があるようです。

今回の勉強会とは別に,社会福祉士さんと弁護士との共同勉強会もあります。
私も先日から参加するようになりました。

今後はこれらの勉強会を融合するとのことです。
みなさん,パワフルで熱い方々です。
面白いネットワークになることを期待しています。

2009年2月10日火曜日

慰謝料電卓

美容院で週刊誌を読んでいたら
「慰謝料電卓」なるおもちゃが発売されたとの記事がありました。

腹の立つできごとを文字入力して
「精神的ダメージ」キーを押すと慰謝料額が出てくるんだそうです。

金額だけでなく、「ビール」「エステ」「肩たたき券」なども表示されると解説されていて
所詮お金では癒せないところをフォロー(?)しているようです。

店頭で見かけたら、手にしてみたいです。

(商品名:こよい兄弟 「慰謝料電卓」
希望小売価格:2,415円(税込)
http://www.wizinc.co.jp/products/koyoi_001.html)

2009年2月9日月曜日

関東弁護士連合会へ

今年9月の関東弁護士連合会でのシンポジウムのテーマは子供と携帯電話。
関弁連では、一年前にまず大会決議を出し、そのテーマで一年準備してシンポジウムを開催するそうです。
中弁連とは逆です。
その関弁連の決議がこれです。

昨年10月に中弁連で扱ったテーマということで
やり残したことなどをお話してほしいとご依頼があり
東京まで、U先生とS先生と一緒に行ってきました。

弁護士はどのような形でこの問題に関わればいいのか。
警察と異なり発信者情報開示までに時間がかかってしまう現在の状況で
実務レベルで関わるのはなかなか至難の業です。

弁護士会の政策提言機能をもっと拡充すべきというU先生の発想で
中弁連のシンポジウムと宣言が推し進められました。

あのときも、技術の発達が著しい状況の中で、
具体的な方法論を論じても5年後には通用しないだろうということで
「3原則」の形で宣言が出されました。

今年はもう少し具体的な権利性を論じられるでしょうか(よくわからない)
学校への携帯電話持ち込み禁止、総務省が推進する安心ネットづくり促進プログラムでの調査検証の開始など、昨年からすでにあれこれ情勢が変化しています。

関弁連の方々の議論の行方が楽しみです。