2013年6月1日土曜日

カルテの翻訳

交通事故の訴訟を担当していて,発症と事故との因果関係を争うときに,カルテを読まないといけないことが多々あります。


それで,カルテを一枚一枚めくって読むことになるわけですが,難しいのです。
医学の素人だから難しい,・・というレベルの話じゃありません。

たとえばこんなカルテを見ました。

1 書き殴られていて,判読できない

2 書き殴りではないが,そもそも字がおきれいではない

3 日本語として意味がわからない

4 英語とドイツ語がいろいろ混じっている

5 全部英語で書かれている



1~3のときは,主治医であれば聞きにいきます。

4や5のときは,裁判は日本語で行わなければなりません(裁判所法74条)から,証拠にしたい部分を翻訳します。


翻訳を専門家にお願いすると高いので,その必要があるかは,まず,自分で読んでみます。

判読できたアルファベットの単語をgoogleで検索するのです。

地道です。

コピーに書き込んでいったり,
スキャンしてPDFにして,赤字で書き込みをしていったり。


カルテとじっくりつきあっていると,だんだん検索のコツもわかり,単語の意味もわかってきます。

n.p.   nothing particular   特になし
WNL      Within Nomal Limits 正常範囲内
Rx または Rp   recipe    処方

などなど。

判読しても,発生機序がわからないから,またお医者様におうかがいしにいくことも多々あります。



参考文献

カルテを読むための医学用語・略語ミニ辞典 第3版 [新書]