2008年3月30日日曜日
Notice&Takedown
家の片付けが特に犠牲になります。
今日こそはと思い,物置部屋に積んでおいたダンボールのうち
8つを片付けました。
片付けから逃れるためには,とにかく管理の対象物を減らすしかありません。
「3年使わなかったものは,もう二度と使わない」
その基準をたてて,物を仕分けていきました。
司法試験受験生時代のノートなどは
必死に勉強していた思い出が残っているだけに,
捨てるかどうかとても迷います。
しかし,法律も年々変わっているため,
残しておくべきノートや資料類を厳選して
思い切って捨てました。
そんな中で,平成12年12月に民法の内田貴教授が
法学協会主催の講演会をしたときのノートが出てきました。
「IT時代の取引と民事法制」と題される,この講演会で,
内田先生は,電子署名法の内容の解説と,
UNCITRAL(国連国際商取引法委員会)における電子商取引についての議論状況をお話されていました。
当時は,内容をあまり理解できていなかったのですが
いま読むと,なかなかおもしろいです。
お話の冒頭で,電子商取引の特色や,
当時指摘されていた法的問題・その対策などについてのお話もありました。
特に,インターネットでは悪質な行為も容易である問題についての対策について
「参考になるのは,アメリカにおけるNotice&Takedown方式である。
1.削除技術を有する仲介者に被害者が被害を申告する。
2.仲介者が発信者に削除するかを問い合わせる。
3.発信者が拒めば,被害者に発信者の情報を開示し,被害者は訴訟を提起できる。
4.仲介者は手続さえ踏めば責任を免れることができる。
この方式に対する批判として,発信者が企業に対して告発する場合などに,企業が「被害者」として名誉毀損訴訟を提起してくるので,告発がしにくいと指摘されているが,少なくとも被害者も発信者も自然人であるときは有効な方法である。」
というメモが残っていました(8年前のメモなので,正確性は保証できません)。
日本のプロバイダ責任制限法と各国の類似法を比較するとおもしろそうです。
2008年3月29日土曜日
2008年3月26日水曜日
本格的インドカレー屋ナンダン
最近は,唐戸の「ナンダン」というインドカレー屋に通っています。
以前,串揚げの岩濱があった場所に数ヶ月前にできました。
串揚げのお店をそのまま居抜きで借りたのでしょう,
内装は和風なのですが,ナンやタンドリーチキンを焼くための窯を設置して
本格的なインドカレーを出してくれます。
ランチは800円から。
ナンはとてつもなく大きいです。
でも,今まで食べたナンの中で一番おいしく,ついつい,全てをほおばってしまいます。
食べきれなかったら,持ち帰ることが出来ます。ホイルに包んでくれます。
ナンにはバターが上からふりかけられていますが,お店の方の話ではバターがいやなら,注文時にその旨を言えばよけてくれるそうです。
カレーの辛さは7~8段階にわけられていて,自由に選べます。
800円のランチに100円をたすと,ラッシーなどの飲み物をつけることができます。
ディナーもいってみました。
1500円でカレーと3種類のタンドリーチキンが食べられます。
カレーとヨーグルトに漬けて焼いたタンドリーチキンがほんとうに美味しかったです。
最初はインド人の方2人で必死に切り盛りされていましたが
このまえ行ったら,3人目のインド人の方がいらしてました。
夜も遅くまで開いているので,早めに閉めてしまうお店が多い唐戸ではありがたいところです。
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2008年3月25日火曜日
法曹三者で勉強会
わたしも弁護人の役をしています。
この模擬裁判では,公判前整理手続を勉強会の形で行っています。
裁判官,検察官,弁護士が集まって勉強しています。
今日はその勉強会が開かれる日でした。
山口で15時30分からという予定でしたので
14時に車で出発することになり,午後が殆どつぶれます。
土日をつぶし,月曜もがんばり,ほかの仕事をなんとか片付けました。
その合間に模擬裁判の事件記録を読んで,各種書面を作り
今日も朝から,もう1人の先生と打ち合わせをしました。
がんばってみました。いつになく。
なのに,朝10時に出勤してみると,急遽中止の御連絡。
さらにお電話があり,実は先週から中止要請をしていたけれども,
個々の弁護士への連絡が遅れたようだとのこと。
力が抜けました。
勉強は無駄にはなりません。
眠い頭で山口まで運転するのは危なかったかもしれません。
とでも思うことにします。
2008年3月24日月曜日
女性会員の数
地方の弁護士の状態を解説してみてもいいのではとの恩師の言葉があったので
うちの県では,女性の弁護士数が少ないのですよという話を書いてみました。
山口県の女性弁護士数は5人(102人中)。4.9%。
しかも,山口,周南,宇部,下関に分散しているので,女性の先生方と話すのは専ら電話です。泊まりがけで飲んでおしゃべり会をすることもあります。
なお,ありがたいことに各事務所や弁護士会の事務職員の方々や裁判所職員の方々に女性が多いので,男性しかいない世界というわけではありません。
中国地方の他の県も調べてみました。平成20年3月23日現在です。
広島県…30人(347人中)8.6%
鳥取県…4人(46人中)8.7%
島根県…6人(40人中)15%
岡山県…27人(229人中)12%
割合だけで見ると,鳥取&島根よりも数値が低い。
さらに全国と高裁所在地も調べてみました。
全国…3608人(25092人中)14.3%
一弁…580人(3331人中)17%
二弁…588人(3349人中)18%
大阪…455人(3263人中)14%
愛知県…172人(1166人中)13%
仙台…38人(284人中)13%
香川県…7人(108人)6.5%
こうして調べてみると,香川県が山口県に似ています。
だからどうだというわけではないのですが,勝手にシンパシーを感じました。
とにかく絶対数が少ない。
隣の北九州部会には,114人中12人も女性がいらっしゃるというのに。
2008年3月14日金曜日
関門合同勉強合宿
今年で8回目です。
今年のテーマは
1 関門地区での少年事件の弁護人の複数選任問題&管轄問題
2 生活保護不支給問題(北九州での餓死事件3件と検証委員会の活動について)
3 マンション管理における法律問題(マンション管理組合の規約の問題点,区分所有権法の不備等)
4 労働契約法
でした。どれもこれも充実した講義でした。講師の方々とスムーズな進行を実現してくださった幹事の先生方,本当にありがとうございました。
1について少々触れてみます。昨年1月に発生したいわゆる門司港援交狩り事件で,少年審判により検察官送致処分になった少年たちは
北九州で逮捕勾留→福岡家裁小倉支部に送致→山口家裁下関支部に移送・少年審判(身柄は北九州市の各警察署から山口市の山口少年鑑別所に)→山口地検下関支部に逆送→福岡地裁小倉支部に起訴(身柄は山口市から北九州市へ)
という手続の流れをたどりました。
難事件であったため北九州で複数の弁護人が必要だと,国選弁護人のほかに法テラスの協力の↓下,法律扶助による弁護人を付けたところ,裁判所により先に選任されていた国選弁護人が解任されるという問題が発生しました。
昨年7月に最高裁が各地の裁判所に国選弁護人を複数選任する場合の指針を通達してからは,弁護人を複数選任することは認められやすくなりましたが,わずか3か月まえにはこのような妨害があったのです。
また,少年審判が行われる裁判所について,北九州と下関の弁護士,弁護士会,検察官らから小倉で行うようにとの強い要望が出されたものの,下関で少年審判が行われることとなりました。そのために少年たちの身柄は北九州から山口市に移され,北九州で選任されていた被疑者弁護人の先生方はひきつづき付添人(家裁送致後は「付添人」となります)として活動することが困難になり,一部の少年たちの付添人は下関市や山口市の弁護士らが新たに担当しました。
しかし,検察官送致処分(いわゆる逆送)になった少年の刑事裁判が,どこで行われるのかは最初からわからず,下関か山口で行われるとの予想に反し,福岡地裁小倉支部で行われることとなりました。このとき,付添人となった下関市の弁護士が少年の国選被告人弁護人に選任してもらうよう裁判所にお願いをしましたが,拒否されました。
このような経過をたどり,少年たちは裁判所と身柄拘束地を転々とさせられ,そばにつく弁護士は何人も交代せざるをえませんでした。弁護・付添の一貫性の点からも,少年との信頼関係の点からも,今後このようなことを繰り返すわけにはいきません。
関門海峡には,福岡高裁管内と広島高裁管内の壁が存在します。
しかし関門地域では,管轄の壁とは関係なく,人的・経済的な深い交流がなされています。
管轄と検察庁や裁判所の権限。
形式的に運用するか,実情に沿って運用するかは,実務担当者の知恵と工夫と勇気次第です。関門地域での法曹三者の協議会を持つなど,まずはコミュニケーションを図る必要があります。今回の勉強会ではそんな議論がなされました。
2008年3月1日土曜日
ふぐ修習
もちろん,ふぐの毒を抜いた後の「身がき」が渡されます。
包丁で薄くひくのは難しく,付添う弁護士らも,修習生と一緒に,苦労しながら挑みます。
ふぐはなぜ薄いのか。
と,思っていましたが,厚いと固くてまずい。
あれは薄くないといけないのです。
「ふぐの身はよく水分を拭き取ること。水分が多いと,ポン酢に水が入って味が変わってしまいます。」
講師の先生の言葉に,美味しく食べるためのいろいろな工夫の積み重ねを感じます。
司法修習の期間が短くなり,社会修習も減少傾向にあります。
しかし,大学院,受験,司法修習は,何かと机の前に座っている時間が長いものです。
実際に足を動かして現場に行ってみる機会は貴重です。
世間知らずの法律家にならないようにという,修習委員会の工夫の1つです。
以前は,前日から下関に入るというスケジュールでした(司法修習生は概ね山口市に住んでいます)。
午前1時にたたきおこし,午前3時からの南風泊市場のせりを見学してから,調理実習をしていたのです。
南風泊市場にのみ残ると言われる袋せりの見学は,漁業,市場取引,物流を体感する勉強にもなっていました。
が,付添の弁護士らの体力の限界で断念。
昨年からは,昼間のふぐの調理実習のみで実施しています。
就職活動のために参加できなかった修習生もいらっしゃいましたが
何かの機会に下関のふぐ産業を知ってもらえればと思います。