2008年3月1日土曜日

ふぐ修習

下関では,司法修習生にふぐの調理実習をさせるという社会修習を実施しています。
もちろん,ふぐの毒を抜いた後の「身がき」が渡されます。
包丁で薄くひくのは難しく,付添う弁護士らも,修習生と一緒に,苦労しながら挑みます。

ふぐはなぜ薄いのか。
と,思っていましたが,厚いと固くてまずい。
あれは薄くないといけないのです。

「ふぐの身はよく水分を拭き取ること。水分が多いと,ポン酢に水が入って味が変わってしまいます。」
講師の先生の言葉に,美味しく食べるためのいろいろな工夫の積み重ねを感じます。

司法修習の期間が短くなり,社会修習も減少傾向にあります。
しかし,大学院,受験,司法修習は,何かと机の前に座っている時間が長いものです。
実際に足を動かして現場に行ってみる機会は貴重です。
世間知らずの法律家にならないようにという,修習委員会の工夫の1つです。

以前は,前日から下関に入るというスケジュールでした(司法修習生は概ね山口市に住んでいます)。
午前1時にたたきおこし,午前3時からの南風泊市場のせりを見学してから,調理実習をしていたのです。
南風泊市場にのみ残ると言われる袋せりの見学は,漁業,市場取引,物流を体感する勉強にもなっていました。
が,付添の弁護士らの体力の限界で断念。
昨年からは,昼間のふぐの調理実習のみで実施しています。

就職活動のために参加できなかった修習生もいらっしゃいましたが
何かの機会に下関のふぐ産業を知ってもらえればと思います。