6~7年前、旧友が法律を勉強するというのでお手伝いしたところ、御礼にとHTB「水曜どうでしょう」のDVDをいただきました。
いまや全国的に有名になった大泉洋の出世番組です。
それ以来、サイコロの旅や東日本原付の旅など、無理を押したタイムスケジュールで移動するのを見て楽しんでいたのですが、その中にあったのが、「北海道212市町村カントリーサインの旅」。
市町村ごとに「カントリーサイン」と呼ばれるマークがあって、市町村の境にでているものです。
下関ならフグかホタルです。
212枚のカントリーサインを印刷した大きなかるたみたいなものを束にして大泉洋が持たされ
裏返して、トランプのようにざくざくときり、そして、一枚ひくのです。
ひいたカントリーサインの町に、行く。
行ったら、またカントリーサインをひく。
繰り返し。
この企画、何がおもしろいのかなあ…と思いつつみていたのですが
出てくる地名がめずらしい。
「名寄」とか「豊頃」とか。
HTBの別番組「おにぎりあたためますか」で、大泉洋と同じ事務所のオクラホマが、このカントリーサインの旅企画と似た内容で「番組宣伝活動・北海道完全制覇の旅!!」というコーナーを持っていて、ビンゴのガラガラでくじをひき、合併の結果現在179になった市町村をまわっています。
山口朝日放送やBS朝日でも放映しているので、見ています。
最近覚えたのは「中頓別」です。
オクラホマがヒッチハイクしながら移動している様子を放映しているおかげで、北海道に住んでいないくせに、頭の中に、道路のイメージができてきました。
こうやって、地名や道路を覚え出すと、北海道の支部問題(裁判所の支部における司法サービスの問題)が突然イメージしやすくなりました。
たとえば、道弁連(北海道弁護士連合会)が平成22年に開催したシンポジウム「地域住民の”裁判を受ける権利”が侵害されている!~司法過疎はどこまで解消できたか~」の報告集をいただいたので、中を読んでみると、報告集の中には、地家裁支部・家裁出張所・簡裁における常駐裁判官・書記官・事務官数及び開廷日日数を地図上で示した図が掲載されていました。
その中にあの名寄とか中頓別とかあるわけです。
旭川地家裁名寄支部・名寄簡裁
常駐裁判官1人(うち簡裁判事1人)
書記官3人程度・事務官1人程度
開廷日 地家裁支部 1ヶ月3日、簡裁 随時
旭川家裁中頓別出張所・中頓別簡裁
開廷日 家裁出張所 2ヶ月1日、簡裁 1ヶ月2~3日
中頓別は常駐の裁判官の方はいらっしゃいません。
しかも2ヶ月に1度しか開廷されない。離婚訴訟はどうしてるんでしょう。調停は調停委員におまかせきりなんでしょうか(裁判官がいる日しか調停期日が入らないなら調停はどれだけのんびり進行にならざるをえないのか)。
破産事件では名寄や中頓別の住民は旭川本庁まで行かなければならないということで、同時廃止事案でなければ審尋や債権者集会等のための出頭のため、中頓別ならば車で164kmを移動する負担がかかるということです(電車は…、音威子府駅までいって宗谷本線かなあ…)。
ローカル番組を楽しみつつ、他県の支部問題を想像しているのでした。