震災直後に原発が問題になり始めたとき、
一部で、山岸凉子さんの「パエトーン」という、原発についてのエッセイコミックのことが話題になりました。
いつもは創作マンガを描く山岸さんですが、エッセイコミックも名手です。
廣瀬隆氏の「危険な話」をもとに、人間は原子力エネルギーを制御できるのかという素朴な疑問をぶつけた作品でした。
山岸さんが描くホラーマンガのごとく、怖いと感じたものです。
ふと思い出しましたが、山岸さんは下関の話も書いています。
「海底(おぞこ)より」
タイトルからして、雰囲気がでています
平家物語・耳なし芳一を題材にした、現代ドラマです。
病気で目の見えなくなった元アイドルが、下関の親戚に預けられて、壇ノ浦の海辺を散歩するときに出会ったのは・・(以下、読んでください)。
というお話なんですが。
気になったのは、「関門海峡って、波に足を取られるような散歩道があるのだろうか?!」ということでした。そういう風景が描かれているのです。
こちらに移り住んでみると、たしかに人道近くで、おりられますね。
干潮のときは少しですが波打ち際を歩けるのがわかり、よく遊びにいきます。
波の音を聞きながら歩くのはなかなか楽しいです。
ただ、日が暮れてからの海峡は、海が真っ暗で重く、たしかにひきずりこまれそう。
この海の重たい感じは、実際に見に行かないとわからないものですね。
ひっぱられるような気分になります。