こうの史代さんの「この世界の片隅で」というマンガでの、主人公のすずの描くイラストをとても気に入っています。
戦場の兄に宛てて、自分の結婚式の様子の絵を描いて送ったり、
友人になった女郎屋に住む女の子に、アイスクリームの絵を地面に描いて見せたり。
絵柄もあたたかいのです。
こうのさんの絵柄があたたかいからでもありますが。
とくに、幼なじみの水原の代わりに絵を描くシーンで、波濤の代わりに、たくさんの白いうさぎが海の上をはしっている絵は、色をつけた大きなサイズで見てみたいものです。
今日、ふと、「波とうさぎ」という意匠はどこからきたんだろう、こうのさんは「古事記」をマンガにしているくらいだし、因幡の白うさぎからだろうかと思い、波とうさぎで検索をしてみました。
すると、「波兎文様」という言葉に当たり、謡曲「竹生島」に由来するといった説明もみつかりました。
これは湖に月がうつったときの様子なので、海ではありませんが。
白い波しぶきをみると、ついつい、白いうさぎに空目してしまいそうです。
・・・と、仕事の合間にこういうことを考えながら、たまっている仕事を片付ける気力をふるいたたせるのでありました。