2010年8月16日月曜日

ミシン

亡祖母の形見にと、
祖母が使っていた足踏みミシンを頂きました。

戦時中に空襲で何もかも失った後に、
父親が無理して嫁入り道具をそろえてくれた
・・と、祖母が話してくれていたので、そのときのものだとすれば60年ほど前のものです。

SINGERミシンではなく、「THE NIPPON」とロゴが入っています。
壊れていたので、
長府にある「ミシンのエモト」さんに直して頂きました。
ミシン本体の手直しだけでなく、
壊れてばらばらになりそうな、ミシン台も直して下さいました。
引出しも出しやすいようにシリコンを塗って下さり、すばらしい修復ぶりです。

足踏みミシンだから電気を使わないで便利。
というのはいいのですが、
足踏みで動かすのは結構難しいです。
リズムを体で覚えるしかありません。
油断すると、逆送しはじめます。

ミシンが逆送すると、機械にも悪いし、糸も切れてしまうので
いまは前に前に縫えるように、足踏みの練習をしています。

足踏みミシンで、こつこつ縫う練習をしていると、
集中力が戻ってくるので、仕事の合間の気分転換にぴったりです。

エモトさんのお話によると、
戦時中は鉄砲などの兵器を製造していた工場が、戦後を迎えて平和産業に転換する際に
ちょうど兵器製造ラインがミシン製造ラインに切り替わったのだとか。
「『JUKI』という会社の名前は、『重機』からきているんですよ」
とのこと。

昔のミシンの構造はシンプルなので、今でも手入れが出来るそうで
おかげで、戦後すぐのミシンがよみがえりました。