中国地方弁護士会連合会大会は5県をまわりながら開かれます。
今年の開催県は山口です。
基調講演・シンポジウム・懇親会等のプログラムからなり
シンポジウム部会に所属するわたしはその準備をすることになっています。
IT関連法制を扱おうということになり,とにかく会員で勉強を続けています。
パソコンや携帯を使わない会員も取り組む気になれる問題提起をするのが目標です。
放送局,情報システムメーカー,自治体,日弁連コンピューター研究委員会の方々に講師になっていただいています。
今日は,ソフトバンクの嶋聡社長室長の講義でした。
ひょんなご縁で山口県までおいでいただきました。
講演内容は,「有害」情報規制のためのフィルタリングについての国会での議論状況と情報通信法について。
子どもの年齢に応じたフィルタリングができないものかと思っていたら
すでにソフトバンクでは検討していました。
まだまだ興味深い話をたくさんうかがいましたが,シンポジウム準備中なので割愛。
弁護士の仕事をしていると,
出会い系サイトを利用した援助交際関連の少年事件や児童買春関連の刑事事件,ネットオークション詐欺の刑事事件,ネット詐欺の消費者事件などに出会うので,その切り口からネットの問題を考えはじめています。
しかし,ネットに対する国の方針ですら,経済産業省,総務省,内閣府,自民党・民主党とそれぞれが異なる立場や意見があり,一面的な理解ですませるわけにいきません。
ネット社会を把握したい・自分の中に地図を作りたいと思っていますが,これからです。
フィルタリングを強化しても,事業者が国外サーバーに拠点を移したら実効性はないとの嶋先生の言葉に,国外サーバーになると,日本から法的責任を追及する方法も困難で,ますます発信者の責任を追及できないことに気が付きました。
今回のような大がかりかつ強力な法規制によるフィルタリングは,果たして本来の目的を達成できるのでしょうか。禁酒法の二の舞になりかねないかもしれません。