2010年2月7日日曜日

日弁連会長選に見る地方の意見の反映方法

日弁連の会長選挙は、選挙制度というシステムを考える上で、非常に興味深いものがあります。

弁護士として、誰が会長になるかという点も気になるのですが、それよりも、選挙の仕組み自体がおもしろいのです。

日弁連の会長選は、

1 投票総数の過半数を得ること
2 全国52ある単位会(東京や北海道には複数の会があるので、都道府県の数と一致するわけではない)のうち、3分の1の数(=18)の会の会員数の過半数を得ること

の2要件が必要です。


今年は、現執行部派の山本弁護士vs無派閥の宇都宮弁護士の戦いです。

1つめの要件は投票総数1万8361票のうち
山本:宇都宮=9525:8555
で、山本弁護士が過半数をおさえています。約1000票差。

2つめの要件では
山本:宇都宮=9:42(残る1会である宮崎は引き分け)
山本弁護士は、18以上を確保できませんでした。それどころか、42の会から拒否されてしまいました。

この2つめの要件によって、地方の支持を得られない候補者は会長になることができません。
単純な多数決は、民意を正確に反映していないという発想に基づき、非都会の意見を積極的に補充する仕組みです。

この9会は、東京や大阪などです。
都会は、弁護士人口が多く、派閥ががっちりと作られ、その組織票が堅いのだそうです。

そうして、東京と大阪の派閥トップが交互に会長に選ばれています。

地方の弁護士会の意見は日弁連に反映されるのか。
東京・大阪の先生方同士で、内輪うけな議論ばかりしてるんじゃないの…と、うがってしまいたくなるような状態です。


ちなみに、9会の中には山口も入っています。
54:43だったようで、

「さすが山口は保守だね」

なぞと、他県の友人からコメントをもらいました。
しかし、私には43も入ったこと自体が驚きです。
山口も案外自由なようです。